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エトロフの恋

「エトロフの恋」  (島田雅彦 著)

「無限カノン」三部作の最終章(?)「エトロフの恋」を読了。

この「エトロフの恋」は前作二作とはちょっと変わっております。

まず、「彗星の住人」「美しい魂」は、二人称(主人公カオルの娘 文緒に語りかける形式)もしくは三人称(カオルの姉、アンジュの語りという形式)で書かれていたのに、この「エトロフの恋」では一人称になっておりました。

分量も、前二作の半分くらいの量。

最終章ということで、きっとボリュームがあるのでは・・・?と思っていた期待(?)は裏切られてしまいました。(笑)

で、あまり「恋愛小説」という感は薄れていて、なんというか・・・「祈り」みたいなものになっております。

結ばれる(←成就しなかった)ことのなかった 恋人同士 「カオル」と「不二子」は、それぞれ「皇室」と「最果ての島・エトロフ」という彼岸に行くことによって、「もう一度会える、という約束がある限り、恋は死なない」という「無限の恋」を成就させた、とみるべきなのでしょうか???

しかし、「恋」のたどり着く先が「最果ての島」というのであれば、もっと、私たちは、現世で、しばしの「うつつ」を見てもいいのかも?? なんて思ってしまいます。

・・・という感慨にふけってしまうくらい、全編の雰囲気が灰色のメランコリックな気配に包まれております。

まあ、あとは、「天皇家」が外交をしてはどうか? などというような、作者の意図があるような、ないような。。。

さすがに、そのあたりはぼやけておりましたが。。。

たしかに、この一連の作品は 三島由紀夫の「春の雪」のパロディです。

作者自身も、執筆動機として「『春の雪』を安楽死させてやらなければならない」という意味のことをおっしゃっておられたとか。。

いや、なかなか面白かったです。

一か月に一冊というペースで読み、久しぶりに「早く、次がでないかなぁ~」という「待ち遠しい」感を味わうことができました。。

実は、こんなに書いておきながら、「春の雪」を読んでいないという・・・不埒モノです。。。(笑)

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